脳血管障害の超急性期評価
- 急性期の脳血管障害、特に脳梗塞についてはrt-PA静注療法や血管内治療が強く推奨されるようになってきており、可及的に速やかに、かつ適切にトリアージして適切な施設に転送することが重要である
- 中途半端に引き受けてCTを撮影してから搬送するなどの貴重な時間を浪費する対応はすべきでない
- ここでは、それらの急性期治療ができない施設での救急対応、あるいはそれらの施設において発生した脳血管障害についての指針を判断するためのアルゴリズムを示す
FACE2-AD:
判断:
rt-PA静注療法の判断:
(解説)
・rt-PA静注療法の適応がなくても、発症24時間以内であれば血管内治療の適応となる可能性がある。そこで、実際には上記の点に注意しながら、治療適応については自分で判断するのではなく、これらの治療が可能な施設にコンサルトすることになる
・24時間以上経過していればこれらの治療の適応はない
を検討して、臨床病型と障害部位を推定する
- 参考文献)
- 奥野善教:主幹動脈閉塞を予測するプレホスピタル脳卒中スケール: FACE2-ADスケール STROKE2017, 2017
- Powers Wj et al :2015 American Heart Association/American Stroke Association Focused Update of the 2013 Guidelines for the Early Management of Patients With Acute Ischemic Stroke Regarding Endovascular Treatment: A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association Stroke 2015 Oct;46(10):3020-35. doi: 10.1161/STR.0000000000000074.
- 鈴木則宏「心原性脳塞栓症の治療と予防の最前線」日本内科学会雑誌 106 巻3号 2016
- 山本大介「みんなの脳神経外科」中外医学社 2021
- 立石洋平編「一歩踏み出す脳卒中診療」レジデントノート Vol.19 No.13 羊土社 2017