ラムゼイ・ハント症候群
- 顔面神経麻痺、難聴やめまいなどの前庭神経症状、耳介の帯状疱疹を三主徴とする疾患
- 顔面真剣の膝神経節に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することにより発症する
- 3主徴すべてが揃う典型例は約50%。しかし、全て我揃うまでには数日〜2週間のタイムラグがある
- 顔面神経麻痺だけが出現するzoster sine herpete(ZSH)も10〜20%あり、診断は極めて困難などがある
- 初診時に顔面神経麻痺しかないとBell麻痺と診断されてしまう
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全経過を通じて耳介帯状疱疹や前庭神経症状を欠く、無帯状疱疹性ヘルペスが存在し、これも臨床的にはBell麻痺と診断されてしまう
実際はBell麻痺の8〜25%が無帯状疱疹性ヘルペスである - 愛媛大学の検討では帯状疱疹、顔面神経麻痺、第8脳神経症状の3主徴を有する典型例は58%に過ぎず、40%は第8脳神経症状を欠いた2主徴を、2%は帯状疱疹を欠いた2主徴を有するのみ(*1)
- 人口10万人あたり約5人が発症し、顔面神経麻痺の基礎疾患としてはBell麻痺について2番目に多い
- Bell麻痺と比べて機能予後が極めて悪い
- 難聴に関しては治療しても改善率は70%で完治率は30%に過ぎない
- めまいはさらに難治性で全体代償が困難