疾患
神経 (23)
前兆のある片頭痛
前兆のある片頭痛
解説:数分間持続する、片側性完全可逆性の視覚症状、感覚症状またはその他の中枢神経症状からなる再発性発作であり、これらの症状は通常徐々に進展し、また通常それらに引き続いて頭痛が生じ、片頭痛症状に関連すると考えられている。
診断基準
A. BおよびCを満たす発作が2回以上ある。
B. 以下の完全可逆性前兆症状が1つ以上ある
①視覚症状
②感覚症状
③言語症状
④運動症状
⑤脳幹症状
⑥網膜症状
C. 以下の6つの特徴の少なくとも3項目を満たす
①少なくとも1つの前兆症状は5分以上かけて徐々に進展する
②2つ以上の前兆が引き続き生じる
③それぞれの前兆症状は5~60分持続する
④少なくとも1つの前兆症状は片側性である
⑤少なくとも1つの前兆症状は陽性症状である
⑥前兆に伴って、あるいは前兆出現後60分以内に頭痛が発現する
D. 頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす
①悪心または嘔吐(あるいはその両方)
②光過敏および音過敏
E. 他に最適なICHD-3の診断がない
それぞれの前兆症状について
①視覚性前兆 最も一般的で「前兆のある片頭痛」患者の90%以上に認められる。閃輝暗点として現れる場合が多い。
②感覚性前兆 視覚性前兆についで頻度が高い。チクチク感として現れ、発生部位から一側の身体および前面または下(あるいはその両方)の領域にさまざまな広がりをもって波及する。最初から感覚鈍磨が生じる場合があり、感覚鈍磨が唯一の症状の場合もある。
③言語障害 失語性のものが通例であるが、しばしば分類困難である。
④運動障害 上下肢が麻痺したり脱力が生じたりする。
⑤脳幹症状 構音障害、回転性めまい、耳鳴り、難聴、複視、感覚障害に起因しない運動失調、意識レベルの低下など。
⑥網膜症状 単眼の視覚障害(閃輝、暗点、資格晶質など)。
注意:前兆が運動症状、脳幹症状、網膜症状の場合は、診断がやや複雑であるため専門医紹介を勧める。