外リンパ瘻
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外リンパ腔と中耳や頭蓋内との間に瘻孔が生じて内耳機能が障害される
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全国的な疫学調査は行われていない
【症状】
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主訴はほとんどが難聴
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めまいを訴えることも多い。眼振を認めることも多い
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ほか、耳鳴り、平衡障害など ・瘻孔から外リンパが漏出するとめまい、耳鳴、難聴などの症状が増悪する。症状の変動があるのも特徴
【原因】
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以下の4つに大別される
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外傷、中耳・内耳疾患(真珠腫、腫瘍など)、手術
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外因性圧外傷:爆風、ダイビング、飛行機搭乗、耳かきなど
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内因性圧外傷:クシャミ、鼻をかむ、重いものを運ぶ、力むなど
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明かな原因がないもの
【診断】
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専門医でも診断は難しい
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突発発症、症状の変動
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突発性難聴と診断され難聴が改善したのにめまいのみ持続するような場合に外リンパ瘻の可能性を考える
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瘻孔から外リンパが漏出するとめまい、耳鳴、難聴などの症状が増悪する。症状の変動があるのも特徴
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瘻孔検査 外耳道圧を上昇させ、眼振や症状の変化を観察する。感度はさほど高くなく、病態を悪化させる可能性があるので非専門医は手をだすべきでない
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詳細な問診によって、誘因を推定し、その後に突発性に難聴、耳鳴、耳閉塞感、めまいなどが生じたことを確認できれば疑って専門医紹介する

(*1より引用)
【確定診断】
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内視鏡検査で瘻孔を確認し、瘻孔から外リンパや髄液の漏出が確認できれば確定する
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中耳洗浄液から外リンパに特異的な蛋白であるcochlin-tomoprotein (CTP)を確認してもよい
【治療】
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保存治療で経過観察し、検査所見の推移をみて手術適応を判断する
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瘻孔閉鎖術で根治できる
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参考文献)
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池園 哲郎 他「外リンパ瘻 診断基準の改定と臨床所見の特徴」Equilibrium Res Vol. 72(4) 215~221,2013
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池園哲朗 「外リンパ瘻」日本医事新報 電子コンテンツ 2017-03-16登録
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永井賀子 他「外リンパ瘻症例の臨床的検討」耳展 57:6;322~329,2014
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「外リンパ瘻」難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/711