修正Duke診断基準

【修正Duke診断基準】

     (感度90% 特異度95%)

【病理学的基準】

    (1) 培養,または疣腫,塞栓を起こした疣腫,心内膿瘍の組織検査により病原微生物が検出されること
    (2) 疣腫や心内膿瘍において組織学的に活動性心内膜炎が証明されること

    ・いずれかの基準が満たされれば確定診断となるが、できない場合は次の臨床的基準に従う

【臨床的基準】

【大基準】

    IEを裏付ける血液培養陽性

    2回の血液培養でIEに典型的な以下の病原微生物のいずれかが認められた場合
    ・Streptococcus viridans
    ・Streptococcus bovis(Streptococcus gallolyticus)
    ・HACEK グループ(Haemophilus sp、Actinobacillus、Cardiobacterium、Eikenella、Kingella の5種のグラム陰性桿菌の総称)
    ・Staphylococcus aureus
    ・または他に感染巣がない状況での市中感染型 Enterococcus

    血液培養がIEに矛盾しない病原微生物で持続的に陽性
    ・2時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が 2 回以上陽性、あるいは
    ・3回の血液培養のすべて、または4回以上施行した血液培養の大半が陽性(最初と最後の採血間隔が1時間以上あいていること)
    1 回の血液培養でもCoxiella burnetii が検出された場合、または抗I相菌IgG抗体価800倍以上

    心内膜障害所見

    IEの心エコー図所見
    ・弁あるいはその支持組織の上、または逆流ジェット通路、または人工物の上にみられる解剖学的に説明のできない振動性の心臓内腫瘤、または膿瘍、または人工弁の新たな部分的裂開
    新規の弁逆流(既存の心雑音の悪化あるいは変化のみでは不十分)
    ・人工弁置換術後、IE可能性例、弁輪部膿瘍合併例では、経食道心エコーが推奨される。その他の例ではまず経胸壁エコーを行う

【小基準】

    素因:素因となる心疾患または静注薬物常用
    発熱:38.0℃以上
    血管現象:主要血管塞栓、敗血症性梗塞、感染性動脈瘤、頭蓋内出血、眼球結膜出血、Janeway発疹
    免疫学的現象:糸球体腎炎、Osler結節、Roth斑、リウマチ因子
    微生物学的所見:血液培養陽性であるが上記の大基準を満たさない場合b)、またはIEとして矛盾のない活動性炎症の血清学的証拠

    ・コアグラーゼ陰性ブドウ球菌やIEの原因菌とならない病原微生物が1回のみ検出された場合は除く

診断  

◎ 結果が「可能性がある」であった場合は、心エコー(経食道心エコー含む)、塞栓症の画像チェック、心臓CT、PET/CTなどによって再評価し、欧州心臓病学会画像診断基準によって診断を進める

    参考文献)
    1. 合同研究班「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン (2017年改訂版)」
    https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_nakatani_h.pdf