麻疹
- Paramyxovirus科Morbillivirus 属の一本鎖RNAウイルスによって引き起こされる急性の発熱と発疹を伴う疾患
- f 空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染と様々な経路で感染する
- 実効再生産数(一人の感染者が発生させる二次感染者数)は9〜18と感染力は非常に強い
- 麻しんウイルスは熱、紫外線、酸、エーテル等で容易に不活化され、空気中や物体表面での生存時間は最大で2時間程度とされる
- 5類感染症であるが、届け出基準(後述)を満たせば保健所に届け出る必要がある
従って、本邦では麻疹は非常に稀であるが、集団発生などがみられる時期には十分に注意する必要がある
麻疹ウイルスは一過性の強い免疫抑制状態をおこす
麻疹が疑われる患者が外来受診した場合には、直ちに空調が独立した陰圧式の個室隔離を行う
- 参考文献)
- 猿田享男 監修「1252専門家による私の治療 2021-2022年度版 麻しん 三﨑貴子」日本医事新報社 2022.
- 国立感染症研究所「麻しんとは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html- 国立感染症研究所感染症疫学センター「医師による麻しん届出ガイドライン 第五版」 2023
- 國松淳和「外来でよく診るかぜ以外のウイルス疾患」医事新報社 2018
- 高山直秀 他「成人麻疹入院患者の臨床的検討:小児麻疹入院患者と比較して」感染症誌77:815~821,2003