- 感染、熱傷、外傷、アルカリ摂取などによる喉頭蓋の炎症
- 原因菌はインフルエンザ桿菌よりも、連鎖球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、ウイルスなどが多い(*2)
- 発症は40〜60歳代で多く、喫煙や糖尿病などがリスクになると考えられている
疾患
感染症 (26)
1.
敗血症
┗ 敗血症の初期治療
┗ ショックの初期診断アルゴリズム
┗ 敗血症における抗生剤の選択
┗ NEWSの判断基準
┗ qSOFA
┗ 敗血症の診断基準
┗ 努力性呼吸
2.
髄膜炎
3.
Toxic Shock Syndrome
4.
急性喉頭蓋炎
5.
深頸部感染
6.
肺炎
┗ 市中肺炎
┗ 院内肺炎
┗ 医療・介護関連肺炎
┗ 誤嚥性肺炎
┗ マイコプラズマ肺炎
┗ レジオネラ肺炎
┗ 市中肺炎の鑑別
┗ A-Drop
7.
感染性心内膜炎
┗ 修正Duke診断基準
8.
尿路感染症
9.
蜂窩織炎
10.
壊死性筋膜炎
11.
丹毒
12.
C.difficile感染症
13.
腸管出血性大腸菌
14.
サルモネラ感染症
15.
特発性細菌性腹膜炎
16.
結核
┗ 肺外結核
┗ 結核性頸部リンパ節炎
18.
帯状疱疹
19.
伝染性単核球症
20.
HIV感染症
21.
ウイルス性関節炎
21.
パルボウイルスB19(伝染性紅斑)
22.
マラリア
22.
麻疹
23.
風疹
30.
淋菌性関節炎
40.
腎機能低下時の抗生剤投与量の調節
急性喉頭蓋炎
症状
- 咽頭痛を88%、発熱を30%、嚥下時痛・嚥下困難を28%、呼吸苦を19%、声の変化を10%に認め、呼吸苦のみが気道確保との関連に有意差があった(*2)
- 狭窄音、流涎、発熱が特徴
- 咽頭痛、嗄声、前頚部の著明な圧痛(舌骨部の圧痛は79%で認める)
診断
- 頸部側面X線
-
- vallecula sign 感度 98% 特異度99%
-
Thumb sign 感度 65.9% 特異度100%
- 喉頭ファイバー
-
-
手技中に気道閉塞となる可能性があり、速やかに気道確保できる状態で行うべき
- 気道確保を必要としたのは全てがⅢ期(*1)
-
手技中に気道閉塞となる可能性があり、速やかに気道確保できる状態で行うべき
治療
- CTRX2g q24
- βラクタムアレルギーの場合 LVFX 500mg q24
- 嫌気性菌を考えた場合はCLDMを併用
-
デキサメタゾン:明確なエビデンスはないが一般的に用いられている
重症例の場合)初回4〜10mg → その後は上気道症状が消失するまで4mgを6時間毎
気道確保
- 気道確保の適応となるのは全症例の15〜20%程度
-
臨床指標の例としては
①
- 起座呼吸がある
- 喉頭蓋の腫脹が高度で披裂 部腫脹がある
- 症状出現から24時間以内に呼吸困難出現
-
咽頭痛から呼吸困難出現までが24時間以内であれば気管切開術の適応となる可能性が高い
また、初診時の白血球数が20,000以上の症例は厳重な観察が必要 (*6) - 増悪する場合は入院後6時間以内にする場合が多く、入院後の特に6時間は慎重に経過を見る必要がある(*2)
②
③
- 参考文献)
- 末吉慎太郎 他「当科における急性喉頭蓋炎73例の臨床的検討」喉頭 22:119~123,2010.
- 野々山宏「成人における急性喉頭蓋炎の検討」日耳鼻 117: 191―195,2014
- 高木秀明 堀口利之:急性喉頭蓋炎の診療 急性喉頭蓋炎の疫学.MB ENT 40:1-4,2004
- 菊池正弘 西田吉直:急性喉頭蓋炎の病期分類. MB ENT 40:20-24,2004.
- 橋本大門 八尾和雄 西山耕一郎ほか「急性喉頭蓋炎に対する気道確保の検討」耳鼻臨床 99 (1):25-30, 2006.4
- 久育男 他「急性喉頭蓋炎:病態と治療方針」 喉頭17:68~71,2005.