淋菌性関節炎

淋菌性関節炎

    ・Sexually-activeな若年者の細菌性関節炎の原因として最も一般的
    ・男女比は約1:3。15〜40歳の女性に好発する
    ・淋菌性敗血症から生じ、非対称性かつ多発性の多発関節炎を起こす

【症状】

    ・病型は2つある

    ① 古典的三徴(移動性多発関節炎、皮膚病変、腱滑膜炎)を示すもの
    ・皮膚病変は径2〜3mmの斑状紅斑で中心部が出血したり、水疱や膿瘍を伴うこともある

    ② 非対称性単関節炎、多関節炎
    ・腱滑膜炎は手関節・足関節・手指小関節に強い疼痛を生じる
    淋菌感染症
     ・性器クラミジアと並んで頻度の高い性感染症
     ・1回の性行為での伝染率は約30%
     ・主として男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎を生じる

【診断】

    ・鏡検法、培養法、PCRが使える
    ・もっとも迅速なのは鏡検法

【治療】

    ・現在、淋菌感染症を経口抗菌薬のみで治療することは推奨されていない
    ・保険適応があり、確実に有効な薬剤は、CTRXとSPCM

       CTRX1.0〜2.0g DIV q24
       SPCM2.0g IM(殿筋内) 1回のみ 効果不十分のときはさらに1回追加

    ・淋菌性関節炎は抗菌薬開始後は速やかに軽快する
    参考文献)
    1. 佐々木毅「感染性関節炎」日本内科学会雑誌 第99巻 第10号・平成22年10月10日
    2. 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン2016」
    http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf