洞不全症候群

【定義と概要】

    ・洞機能不全:洞結節や洞房間電動に機能障害による徐脈性不整脈
    ・機能障害の原因としては、副交感神経の異常緊張や薬剤など一過性の二次性と、組織の器質的変性によって生じる一次性のものがある
    ・同機能不全により洞停止によるアダム・ストークス症候群、失神、眼前暗黒館、持続性徐脈による心不全、易疲労感、めまいなどの症状が起こるものを洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome:SSS)とよぶ
    ・発症年齢は70〜80歳代が最多
    ・一般に生命予後は良好

【分類】


【評価】

    ・症状と洞機能不全の関係を確認するためにホルター心電図、イベントレコーダーや埋め込み型のループレコーダーを用いる
    ・この関係が確定しがたい場合は心臓電気生理学的検査(EPS)を検討する
    ・夜間の徐脈があれば睡眠時無呼吸症候群の有無を検討する
    ・無症状なら心拍数40/分の徐脈や3秒程度(夜間睡眠中なら5秒程度)の洞停止や洞房ブロックは経過観察

【治療】

    ・症状のない洞性徐脈にはペースメーカ植込みの適応はない
    ・確実に症候性であれば人口ペースメーカー植え込みの適応であり、不確実であっても疑いが強ければ検討する
    ・ペースメーカーを埋め込まない場合は、2-3ヶ月ごとの診察で症状の確認、1年ごとのホルター心電図で評価を継続すべき
    参考文献)
    1.日本循環器学会 /日本不整脈心電学会「2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン)」
    2.日本循環器学会 /日本不整脈心電学会「不整脈非薬物治療ガイドライン( 2018 年改訂版)」
    3.猿田享男 監修「1252専門家による私の治療 2021-2022年度版:洞不全症候群 大江学治 他」日本医事新報社 2022
    4.村川裕二「循環器診療をスッキリまとめました」南江堂 2015
    5.筒泉貴彦 他編集「総合内科病棟マニュアル」メディカル・サイエンス・インターナショナル 2017