【定義】

- 心電図にてST上昇を示さない心筋梗塞
- ST上昇はなくとも持続性または一過性のST低下やT波異常はありえる
- 全く心電図変化がない場合もある
【病態】
- 冠動脈の不完全閉塞または良好な側副血行路からの残存血流が存在するとされている
- 完全閉塞率は低いという報告がある(*2)
- STEMIと比べて3枝病変を示し、CABGを必要とする症例が多かったという報告がある(*3)
【症状】
- STEMIと同様の症状が出現するが、無症状のこともある
- 胸部症状以外の症状しかみられないこともある
【診断と評価】
- CK、CK-MBの上昇に関わらずトロポニンT、またはトロポニンIが陽性であればAMIと診断(2000年 ACC/AHAガイドライン)
- 軽症から重症まで幅広い重症度が含まれるのでリスク評価を行う必要がある
- CK/CK-MB の上昇のない例は、ある例よりも短期予後は良好であるが、長期予後は変わらない
- 重症度評価としては TIMI risk scoreなどが用いられる
【病態】
- 重症度に合わせて対応する
- 参考文献)
- 日本循環器学会 日本冠疾患学会 他「急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版)」
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/11/JCS2018_kimura.pdf- Holmes DR Jr., Berger PB, Hochman JS, Granger CB, Thompson TD, Califf RM, Vahanian A, Bates ER, Topol EJ. Cardiogenic shock in patients with acute ischemic syn- dromes with and without ST segment elevation. Circulation 1999; 100: 2067-2073.
- 井上文隆 他「非 ST上昇型急性心筋梗塞の臨床的特徴 – ST上昇型急性心筋梗塞との比較」J Cardiol Jpn Ed 2008; 1: 38 – 43