腎梗塞
  • けして稀な疾患ではないが適切に診断されないことが多い
  • 腎動脈の本幹あるいはその分枝が塞栓や血栓により閉塞し、その末梢の循環障害によって腎組織が壊死する
  • 特異的な症状に乏しく、小さなものでは無症状のことがある
  • 比較的大きな高速では突発性の側腹部・腹部、背部痛、および汚損・嘔吐・発熱(交感神経系亢進症状)を認める
  • 心房細動など、血栓症リスクが高い、あるいは動脈硬化リスクの高い症例では考えておくべき

【診断】

  • 白血球増多、LDHは上昇するがトランスアミナーゼ上昇はない+尿潜血陽性、というのが比較的疾患特異性が高い
  • 約50%に蛋白尿、約3%に血尿を認める
  • 確定診断のためにはCTやMRIで楔状の陰影欠損を確認する
  • 最も確実な診断法は腎動脈造影

【治療】

  • 一般的には、安静臥床、患部の冷却や水分補正などの保存治療
  • 線溶療法としてはウロキナーゼを使用することが多い
  • 抗凝固療法としては、ヘパリンを使用する。APTTが正常値の2〜3倍になるように調整する。
参考文献)
  1. 北村健一郎「腎梗塞」日本医事新報 電子コンテンツ 2017年3月
  2. 槙野博史 他「腎梗塞」日本内科学会雑誌 第82巻 第11号 1993