下肢静脈エコー

下肢静脈のエコー所見

大腿静脈
  • 鼡径靱帯の高さで大腿静脈を短軸で描出する。内部にやや高輝度な血栓エコーを認めれば診断が確定するが、新鮮な場合は血液と輝度が変わらず、判別できない場合がある
  • 正常な静脈をプローブを用いて圧迫すると、簡単に虚脱する(compressibility)が、内部に血栓がある場合は虚脱しない。圧迫と解除を繰り返しながら評価を行う
  • その後、遠位に走査して大伏在静脈の分岐部まで観察する。分岐部は血栓の好発部位である

膝窩静脈
  • 膝窩に骨に向けてプローブをあてると膝窩静脈が描出される。表層側には足底筋以外には筋層が存在しないので容易である
  • 動脈と静脈の位置関係は様々なので圧迫して虚脱を確認したり、あるいはドップラーをあてて区別するとよい
  • やや、遠位では小伏在静脈を分岐するので静脈は二本見える


ヒラメ筋静脈
  • 膝窩静脈からプローブを遠位に走査していくと、腓腹筋の下にヒラメ筋が描出される
  • ヒラメ筋静脈はこの筋層内の血管である
  • この部位の静脈に圧迫ー解除を繰り返しても血栓が飛んでしまうことはないとされている