脾梗塞
  • 脾動脈の本幹あるいはその分枝が塞栓や血栓により閉塞し、その末梢の循環障害によって脾臓組織が壊死する
  • 基礎疾患として心血管疾患が最多であり、次に血液疾患が多い
  • 心血管疾患のうち約半数は感染性心内膜炎による。その他、心房細動、心臓手術後、拡張型心筋症、弁置換術後など
  • 血液疾患のうち、約半数は鎌状赤血球症患者であり、低酸素発作時に発症する
  • その他、白血病、悪性リンパ腫、骨髄線維症など脾腫を持つ患者にもみられる

【症状】

  • 突発する左季肋部痛と発熱

【診断】

  • 超音波検査、腹部CTなどによる低吸収域
  • シンチグラムでの欠損像
  • 血管造影にて喫状無血管野を確認すれば確定診断となる

【治療】

  • 一般的には、安静臥床、患部の冷却や水分補正などの保存治療
  • 線溶療法としてはウロキナーゼを使用することが多い
  • 抗凝固療法としては、ヘパリンを使用する。APTTが正常値の2〜3倍になるように調整する
  • 強い症状が長期間続く場合は、基礎疾患を検索するとともに、脾摘術を検討する
参考文献)
  1. 下門清志 他「左側腹部激痛にて発症した特発性脾梗塞の1症例」 日臨外医会誌 53(6), 1424-1428, 1992