強直性脊椎炎
  • 体軸性脊椎関節炎の代表的疾患
  • 炎症性背部痛、末梢関節炎、付着部炎、指趾炎、ぶどう膜炎、乾癬、炎症性腸疾患、発熱、倦怠感、体重減少など多彩な臨床症状を示す
  • HLA-B27陽性が参考になる
  • 若年の特に男性で起こりやすい
  • 腰痛、坐骨神経痛、肋間神経痛が主症状。稀には末梢関節炎で発症する
  • 腰背部痛とこわばりは夜間や明け方に悪化し、運動で軽快する
  • 初期には症状の強さの変動が激しく、痛みで動けないかと思えば、翌日にはスポーツが可能になるなど不定愁訴と間違えられやすい
  • 進行すると各部位で拘縮や強直が生じる。重症例では、全脊椎が骨性強直し前屈みとなる。

【診断】

(臨床症状)

  • こわばり(3カ月以上持続、運動により改善し、安静により改善しない)
  • 腰椎可動域制限(Schober試験で5cm以下)
  • 胸郭拡張制限(第4肋骨レベルで最大呼気時と最大吸気時の胸囲の差が2.5cm以下)

で1項目以上をみたしで1項目以上をみたし


(仙腸関節X線)

  • 0度:正常
  • 1度:骨縁の不鮮明化
  • 2度:小さな限局性の骨びらん、硬化、関節裂隙は正常
  • 3度:骨びらん、硬化の進展と関節裂隙の拡大、狭小化または部分的な強直
  • 4度:関節裂隙全体の強直

で両側2度以上あるいは片側3度以上の所見を認め、他の疾患が除外できれば診断される

  • しかし、仙腸関節X線の読影はなかなか難しい。X線基準を満たさない場合は「 X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」と考えられる
  • 炎症反応は全例では陽性にならない


参考文献)
  1. 難病情報センター「強直性脊椎炎(指定難病271)」 厚生労働省
    https://www.nanbyou.or.jp/entry/4848
  2. 強直性性脊椎炎ナビ
    https://www.ifx-navi.net/about_as.html
  3. 富田哲也「強直性脊椎炎[私の治療]」日本医事新報 電子コンテンツ 2021年12月