アナフィラキシー
  • アレルゲン等の侵入により複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応

【誘因】

食物)
  • 小児 鶏卵、牛乳、小麦、甲殻類、蕎麦、ナッツ類、大豆、果物など
  • 成人 小麦、甲殻類、果物、大豆、ナッツ類、蕎麦
昆虫)
蜂咬傷
薬品)
βラクタム系抗菌薬、NSAIDS、生物学的製剤、造影剤

【症状】

  • 各症状より重症度を判定する

【治療】

  • 全身的皮膚症状、バイタルの増悪、呼吸苦などがあれば、まず
    アレルゲンの除去、臥床・下肢挙上
    を行った上で、次の緊急対応を検討する

1. アドレナリン

成人 0.3mg IM
小児 0.01mg/kg IM

  • 大腿部外側に投与
  • 必要と判断すれば5〜15分ごとに繰り返し投与
  • 有効性は82.2%
無効例)
  • β遮断薬を内服している場合は効果が不十分になる場合がある
    グルカゴン1mg静注
  • 必要に応じて5分毎に繰り返す

2. 酸素療法

6-8L/分・マスクで開始

3. 補液

リンゲル液や生理食塩水を投与

4. その他の薬剤

  • 抗ヒスタミン薬 皮膚・粘膜症状を緩和

    クロルフェラミン(ポララミン)5mg+生食100mg DIV
    ラニチジン50mg+生食100ml DIV

  • グルココルチコイド 二相性アナフィラキシー(10時間以内に約20%で生じる)の予防

    メチルプレドニゾロン(ソル・メドロールなど)1mg/kg+生食100ml DIV

【再発予防】

参考文献)
  1. 中村陽一「アナフィラキシーガイドライン」アレルギー 67(1) 17―23, 2018(
  2. 神津悠「アナフィラキシーの診断・治療の最新情報」日大医誌 79 (2): 65–69 (2020)
  3. 日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン2022」