薬剤熱
    ・適切な評価にも関わらず原因が特定できず、なんらかの薬剤が投与中で、かつ当該薬剤の中止によって改善し消失する発熱
    ・多くは感染症と類似した症状、検査所見を示すので診断が難しい
    ・発熱に先立って、新規薬剤の投与や増量があれば疑ってみる

【症状】

    ・比較的、全身状態がよい
    ・発熱に比して、頻脈でないとされているがあてにならない
    ・悪寒、筋肉痛、頭痛など感染症と類似した症状が起こりやすい
    ・皮疹は20%弱で、斑状丘疹が多い
    ・薬剤投与後1〜2週間以内に出現することが多い

【検査所見】

    ・白血球増多: しばしば左方偏移を伴う
    ・好酸球増多は2割程度
    ・血沈は上昇しやすいが、CRPは発熱と比して低め
    ・軽度の肝機能障害を伴うことがある

【病態】

    ・アレルギー反応は最も一般的。抗生剤によるものが最多で30%強を占めると推定されている
    ・抗精神病薬や抗うつ薬、麻酔薬に関連する特異的体質反応は臨床的に重要
    ・薬理作用として生理的な体温調節システムを修飾する薬剤がある。代表的なものは甲状腺モルモン、抗コリン薬、交感神経刺激剤

【薬剤熱を起こしやすい薬剤】