紅皮症

紅皮症

  • 全身皮にびまん性浮腫性潮紅が生じて、粃糠様、落葉状の落層が持続する状態
  • 紅斑は全身の皮膚面積の80〜90%におよぶ
  • 強い搔痒を伴う
  • 掌蹠では皮膚肥厚や亀裂がみられることがある
  • 一般に特異的な病理所見はなく、非特異的な炎症像だが、原疾患によっては特徴的な所見がある

【評価】

  • 初期評価として以下の検査を行う
  • 必要に応じて、細菌学的検査、皮膚生検などを進める
  • IgE抗体高値であればTARCでアトピー性皮膚炎の重症度を評価してもよい

【原因疾患】

  • 多岐に渉るが、特に注意すべきは、急性に進行するもの、バイタルの変動を伴うものである

【湿疹性紅皮症】

  • アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自家感作性皮膚炎を代表とする各種湿疹が、なんらかの原因により汎発化したもの
  • 全身の皮膚は浮腫性に潮紅し落屑を伴う
  • 強い搔痒があり、無痛性リンパ節腫脹を伴うことが多い
  • ステロイド外用が著効する

【薬剤性紅皮症】

  • 上記のアナフィラキシー、SJS/TENは重症であり迅速な評価、治療が必要である
  • より軽症の場合でも、原則入院管理が必要である
  • 速やかに被疑薬を中止して、必要と判断すればステロイド剤投与(パルスを含む)を行う
参考文献)
  1. 清水宏「あたらしい皮膚科学」中山書店 71:456-469,2006
  2. 石川治 田村敦志「皮疹からみる皮膚病理」南江堂 2010
  3. 山崎雄一郎 他「全ての診療科で役立つ皮膚診療のコツ」羊土社 2011
  4. 西山茂夫「皮膚病アトラス」文光堂 2005