角層下膿疱

角層下膿疱(subcorneal pustular dermatosis)

    ・40歳以上の女性に稀にみられる
    ・四肢屈側、間擦部、体幹、乳房下部などに、ほぼ対称性に出現する
    ・原因不明だが夏に出現することが多い
    ・確定診断には皮膚生検が必要であり皮膚科への紹介が必須
    ・膿疱性乾癬,Duhring疱 疹状皮膚炎などと本疾患との鑑別が必要
    【症状】

    ・はじめから膿疱として出現する場合と、水疱で始まって膿疱化することもある
    ・環状あるいは蛇行しつつ拡大し、数日で痂皮化して、鱗屑を生じる
    ・中心治癒傾向があり、辺縁に膿疱が配置する
    ・膿疱は弛緩性で極めて破れやすい
    ・発熱などの全身症状は稀で、粘膜疹はない
    ・慢性再発性で、数年にわたって消長を繰り返す

    【治療】

    ・DDS(レクチゾール)やステロイド内服が有効
    参考文献)
    1. 清水宏「あたらしい皮膚科学」中山書店 71:456-469,2006
    2. 石川治 田村敦志「皮疹からみる皮膚病理」南江堂 2010
    3. 山崎雄一郎 他「全ての診療科で役立つ皮膚診療のコツ」羊土社 2011
    4. 西山茂夫「皮膚病アトラス」文光堂 2005
    5. 鶴田大輔 他「角層下膿疱症の1例」皮膚 第35巻 第4号 平成5年8月