膿痂疹

【膿痂疹】

  • 膿疱と痂皮が混在した状態で紅斑や小水疱を伴う
  • 天疱瘡、膿疱性乾癬、表皮への細菌やウイルスの感染などで見られる皮疹

【伝染性膿痂疹】

  • 表皮への黄色ブドウ球菌、溶連菌などの感染による
  • 細菌の産出する表皮剥奪毒素によって、デスモゾームを構成するデスモグレイン1が分解されることにより生じる
  • 水疱性膿痂疹と痂皮型膿痂疹の2種類がある

水疱性膿痂疹)

  • 水疱が生じて、破れてびらんとなる
  • 小児に生じることがほとんどで、いわゆる「とびひ」
  • 顔面から症状が出始め、やがて全身に拡がっていく
  • 夏季に多い
  • 大部分は黄色ブドウ球菌の感染

痂皮性膿痂疹)

  • 膿疱と痂皮が中心となる
  • 成人でも生じる。特に皮膚の脆弱な高齢者
  • 季節を問わず、全身に生じる
  • 溶連菌感染が多い

治療)

  • 皮膚の清潔を保ち、水疱や膿疱の内容の他部位への接触を避ける
    • CEX 1500mg 3X
    • CLDM 9c 3X
    • バクタ 4錠 2X

【Kaposi水痘様発疹症】

  • 多くはアトピー性皮膚炎などを基盤として生じる単純ヘルペスウイルス感染症
  • 顔面に好発し、米粒大前後の小水疱やびらんが多発する
  • 二次感染によって伝染性膿痂疹を併発することも多い
参考文献)
  1. 清水宏「あたらしい皮膚科学」中山書店 71:456-469,2006
  2. 石川治 田村敦志「皮疹からみる皮膚病理」南江堂 2010
  3. 山崎雄一郎 他「全ての診療科で役立つ皮膚診療のコツ」羊土社 2011
  4. 西山茂夫「皮膚病アトラス」文光堂 2005
  5. 國松淳和「外来でよく診るかぜ以外のウイルス疾患」医事新報社 2018