【定義と疫学】
- 原因不明の慢性に経過する消化管の炎症性疾患で、通常は回陽性大腸炎とCrohn病を示す
- 腸管外合併症として末梢関節炎、強直性脊椎炎、口腔アフタ、結節性紅斑、壊疽性膿皮症などの皮膚症状、虹彩炎などがある
- 2012年時点では患者数は潰瘍性大腸炎が約14.3万人、クローン病が3.6万人強だったが、近年、増加の一途を辿っている
- 欧米では約50年前より、本邦ではそれを追うように20~25年前より炎症性腸疾患患者の増加が認める
- 家族集積性があり、疾患感受性に関する遺伝子の報告がある。単一の遺伝子異常では無いが、なんらかの遺伝的素因が想定されている
- 発症の危険因子として、喫煙はCrohn病では正の、潰瘍性大腸炎では負の相関がある
- 潰瘍性大腸炎では朝食のパン食、バター、マーガリン、肉類の摂取がリスクを増加させるという報告があるがエビデンスとしては不十分