慢性偽性腸閉塞症

慢性偽性腸閉塞症

  • 器質的な原因を伴わないにもかかわらず、腹痛、嘔気・嘔吐、腹部膨満などの腸閉塞症状を慢性的に繰り返す希少な難治性状恵
  • 主な病態は小腸蠕動運動障害と考えられている
  • 最終的に小腸機能不全をきたし、死亡する例も少なくなく、非常に予後不良
  • 成人の場合は10年間での死亡率20〜30%と報告されている(*3)

【症状】

  • 腹部膨満、嘔吐、便秘、下痢で発症
  • 成人に特徴的なものとしては激しい腹痛

【診断】

  • 厚生労働省研究班による診断基準がある
  • 小児期のCIIPの診断においてはヒルシュスプルング(Hirschsprung)病類縁疾患等の鑑別診断が重要

【治療】

  • 根治的な治療法はない
  • 以下のような対症療法が中心となる
    緩下剤による排便コントロール
    イレウスに対するイレウス管、軽費内視鏡空腸瘻による腸管減圧
    成分栄養剤や在宅中心静脈栄養
    手術はリスクが高いので極力回避する
参考文献)
  1. 「特集 慢性便秘診療の今」Pharma Medica vol.35 No.9 2017
  2. 難病情報センター「慢性特発性偽性腸閉塞症(指定難病99)」
    https://www.nanbyou.or.jp/entry/3961
  3. Amiot AJoly F.Alves et al.Long-term outcome of chronic intestinal pseudoobstruction adult patients requiring home parenteral nutrition. Am J Gastroenterol. 2009: 104: 1262-70.