急性膵炎
  • 急性膵炎は膵臓の急性炎症で、軽症であれば膵臓の浮腫を生じるのみだが、炎症が重篤だと膵実質あるいは周囲組織が壊死し、さらに感染が合併すると顕著に死亡率が上昇する
  • 48時間以内に診断と重症度を判定し、適切な治療を施すことが推奨されている
  • 胆石と飲酒が2大原因である

【症状】

  • ほとんどの場合、強い上腹部痛が生じる。背部に突き抜ける感覚を訴えるものも半数程度いる
  • 胆石による急性膵炎では痛みは通常突発し、数分で最大の強さに達する。これに対してアルコール性では一般的に数日かけて痛みが増強する

 ★ 突発性あるいは数日かけて増強した強い上腹部痛で同部に圧痛を伴うものでは必ず急性膵炎を疑う

【診断】

  • まず、血中アミラーゼ、胸腹部X線、腹部エコーなどで評価する
    *拡張した大腸が脾弯曲部で急に途絶(colon cut-of sign)
  • 超音波による膵臓の描出率は62〜90%、膵周囲の炎症性変化の描出率は、前腎傍腔が100%、小腸網が90%、腸間膜が65%であると報告されている
  • 血中アミラーゼは正常値上限をcut-off値とすると、感度91.7〜100%、特異度71.6〜97.6%である
    陽性尤度比 3.23〜41.7 陰性尤度比 0〜0.1
  • アルコールや高脂血症に伴うものでは、アミラーゼが上がらないことがある
急性膵炎重症度判定