【分類】 次の4つの病型に分類される CNS-I、CNS-IIおよびGSはビリルビンの抱合を行う bilirubin UDP-glucuronosyltransferase遺伝子の変異による Crigler-Najjar 症候群I型以外は無症状で予後良好だが、肝排泄型の薬剤の代謝に影響を及ぼすことがある(イリノテリカン、セフォジジム、プラバスタチン、セフィキシム、メトトレキサートなど)
Gilbert症候群 人口の2〜7%にあるとされ、男性に多い 大部分では、3〜30歳頃までに軽度の黄疸を指摘される 血性ビリルビン値は1〜6mg/dLで、絶食、激しい運動、疲労、飲酒などで増強することもある 多くは無症状だが、軽度の全身倦怠感、心窩部痛などを訴えるものある 予後良好で、特に治療を必要としない Crigler-Najjar 症候群I型 大部分が常染色体劣性遺伝 生後10日以内に中〜高度の高間接ビリルビン血症をきたして持続するが、数週間後〜生後7歳ごろに発症する場合もある 核黄疸を起こさず、比較的予後良好 ・一般的には治療は不要だが、新生児期には核黄疸予防の処置が施される Crigler-Najjar 症候群Ⅱ型 我が国では数家系の報告があり、うち3家系では先祖が愛知県の一地方であると報告されている 生後2〜3日目から高度の高間接ビリルビン血症をきたし、放置すれば核黄疸となり死亡する 光線療法を行った後に肝移植を行う Dubin-Johnson 症候群 多剤耐性関連蛋白2の遺伝子変異により、肝細胞毛細胆管膜上の抱合型ビリルビン輸送蛋白の欠損又は機能欠如が生じ発症する 新生児期~12歳頃の発症が全体の55%だが、各年齢層で発症 ビリルビンは多くは2〜3mg/dLであり、高くても10mg/dL まで 大部分は無症状だがときに全身倦怠感など 感冒、疲労、妊娠などで増強 Rotor 症候群 彼名疾患だが、比較的沖縄に多い 乳児期~15歳頃に血清ビリルビンは多くは3〜10mg/dLを指摘される 大部分は無症状