多発関節炎・多発性筋痛

多発関節炎・多発性筋痛

    ・多発関節炎・多発性筋痛の鑑別診断は非常に多岐に渉る

【STEP1: ウイルス感染による多発関節炎・多発筋痛の検討】

    ・発熱、全身倦怠感、上気道炎症状、発疹などとともに出現した関節痛・筋痛はウイルス感染に伴うものの可能性が高く、ほとんどの例では数週以内に自然寛解する
    ・急性のB型、C型肝炎でも関節痛が出ることがある。上気道症状がなく、全身倦怠感や食思不振があれば検討すべき
    ・症状が強かったり、他の全身症状が重篤な場合は速やかに評価を進める(【STEP2】へ)
・1〜2週間の経過観察で他の症状とともに関節痛・筋痛が改善すれば終了

・関節痛・筋痛がそれ以上遷延する場合は【STEP2】へ

【STEP2: ウイルス感染以外の原因の検討】

    ・鑑別すべき疾患は多様である。以下に示すような病歴、身体所見、発熱や関節痛のパターンを確認する
    ・初期評価として下一覧表に示した程度の検査を行う


    ・以下に病歴と①身体所見、②発熱のパターン、③関節痛・筋痛の分布と経過の3つについて鑑別のポイントとなる所見を示した
    ・各項目をチェックしていくと、鑑別すべき疾患の可能性が表示される
    ・示された結果はあくまでも参考所見であり、診断のためには各リンクに示した解説あるいは成書等を参考にして進めて下さい

 ①病歴と身体所見

    リンゴ病に感染した子どもとの接触歴 皮疹 結節性紅斑
    口内炎 目の乾燥や口渇 結膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、視神経障害
    脾腫 肩痛あるいは上腕把握痛 朝のこわばり レイノー現象
    乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎の既往。クラミジア尿道炎や細菌性下痢の先行
    コントロール不良あるいは放置された高尿酸血症 倦怠感、易疲労感、寝汗などの全身症状
    sexually-activeな若年者 上肢または下肢の筋力低下 急性の手足の圧痕性浮腫

 ②発熱

    関節炎・筋痛に先行する発熱 40℃以上の高熱 スパイク熱

 ③関節炎

    移動性の関節炎・筋痛 発作性再発性関節炎・筋痛 対称性の小関節の関節炎・筋痛
    下肢の関節や筋が優位 手指PIP、MCP関節 手指DIP関節


多発性リウマチ性筋痛症

関節リウマチ

RS3PE

パルボウイルスB19

ウイルス性関節炎

SLE

シェーグレン症候群

皮膚筋炎/多発性筋炎

ベーチェット病

混合結合組織病(MCTD)

血管炎

脊椎関節炎

成人発症スチル病

サルコイドーシス

痛風

感染性心内膜炎

淋菌性関節炎