先天性溶血性貧血

先天性溶血性貧血

  • 先天的な遺伝子異常が原因で慢性的な溶血が起こる溶血性貧血の総称
  • 赤血球膜異常症、赤血球酵素異常症、ヘモグロビン異常症に3分される
  • 日本の溶血性貧血の約17%を締める ・各病形の頻度は下図のようになる

【臨床所見】

  • 全ての溶血性貧血に共通の所見として、貧血、黄疸、脾腫。検査所見としてはHb低下、間接ビリルビン増加、尿中・便中ウロビリン増加、血清ハプトグロビン低下などを認める

赤血球酵素異常症以外では赤血球の形態異常を認める

【サラセミア】

  • ヘモグロビン遺伝子の異常によって生じる
  • 日本では保因者は3000〜5000人に一人
  • 小球性低色素性貧血を停止、奇形赤血球や標的赤血球を認める

【遺伝性球状赤血球症】

  • 5〜10万人に1人の有病率
  • 末梢血で小型球状赤血球を呈する

【不安定ヘモグロビン症】

  • ヘモグロビン分子のアミノ酸変異が原因
  • サルファ剤などの酸化剤の投与や感染症で溶血発作を起こす
  • 奇形赤血球や破砕赤血球を認める

【赤血球酵素異常症】

  • 17種類の酵素が原因となる
  • サルファ剤などの酸化剤の投与や感染症で溶血発作を起こす
  • 赤血球形態はほぼ正常 ・原因不明の溶血性貧血で専門医に紹介して診断をうけるべき疾患
参考文献)
  1. 亀崎豊実「先天性溶血性貧血」日本医事新報 電子コンテンツ 2-17-03-16登録