薬剤性血小板減少症
  • 免疫性機序により血小板減少を来たす。これらの薬剤が血小板膜糖蛋白との複合体を形成しハプテンとして作用し、これに対する抗体により血小板破壊が起こると考えられている

【原因となる薬剤】

  • H2ブロッカー
  • サイアザイド系利尿薬
  • アセトアミノフェン
  • 抗リウマチ薬
  • 金製剤
  • D-ペニシラミン
    • 抗痙攣剤
  • バルプロサン
  • カルバマゼピン(テグレトール)
  • フェニトイン(アレビアチン)
    • メチルドーパ(アルドメット)
    • ST合剤
    • キニン
    • キニジン(抗不整脈薬)
    • ジゴキシン
    • ダナゾール(テストステロン誘導体:子宮内膜症、乳腺症など)
    • 抗がん剤/免疫抑制剤
    • アブシキシマブ

【診断】

  • 血小板減少出現以前に投与された薬剤はすべて可能性があるが、特に新規処方のあと出現した場合は必ず疑う
  • 上記の薬剤以外のどのような薬剤でも血小板減少を起こす可能性がある
  • ランソプラゾール、バンコマイシン、ACE阻害薬などでも報告がある

【治療】

  • 疑われる薬品を直ちに中止する。多くは5〜8日で回復する
  • 出血傾向や血小板減少が重篤の場合はステロイドや、γーグロブリン大量療法
  • 著しい出血時には血小板輸血
参考文献)
  1. 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 血小板減少症」
  2. 冨山佳昭「血小板減少症の診断と治療」日本内科学会雑誌 110 巻 3 号 570-576