血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
  • 全身の微小血管において病的血栓を形成して、貧血、血小板減少などとともに全身の虚血性臓器障害を生じる稀な致死的血栓症
  • 95%以上が後天性で、von Willebrand因子切断酵素であるADAMT13に対する自己抗体産出が発症に関与
  • 未治療では死亡率は90%を越える

【臨床所見】

  • 微少血管性溶血性貧血、血小板減少、腎機能障害、発熱、動揺性精神神経障害の5徴が有名だが、すべてそろう症例は少ない
    • Hbは8〜10g/dL程度のことが多い
    • 血小板は1〜3万/μLと著明に低下することが多い(日本人では中央値1万/μL)。出血症状の程度は様々である
    • 腎障害の程度は様々だが血液透析が必要になることは少ない
    • 精神神経障害  軽い頭痛程度から、痙攣・意識障害まで程度は様々で、症状の同様がみられる

【検査所見】

  • Coombs試験は陰性
  • 治療の基本は血液製剤の補充
  • 肝機能および凝固線溶系の異常はあっても軽度

【治療】

  • 血漿交感療法が行われるようになってから死亡率は90%から20%に改善
  • ステロイドも併用されるがエビデンスとなるような研究はない
  • リツキシマブ(抗ヒトCD20モノクローナル抗体)の再発予防効果、およびカプラシズマブ(抗ヒトVWF A1 bivalent nanobody)の急性期血栓症の予防効果が注目されている
参考文献)
  1. 松本雅則「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の病態、診断と治療」日内会誌 109:1355〜1362, 2020
  2. 横山健次「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」 日本医事新報 電子コンテンツ 2017-03-16登録
  • 全身の微小血管において病的血栓を形成して、貧血、血小板減少などとともに全身の虚血性臓器障害を生じる稀な致死的血栓症
  • 95%以上が後天性で、von Willebrand因子切断酵素であるADAMT13に対する自己抗体産出が発症に関与
  • 未治療では死亡率は90%を越える

【臨床所見】

  • 微少血管性溶血性貧血、血小板減少、腎機能障害、発熱、動揺性精神神経障害の5徴が有名だが、すべてそろう症例は少ない
    • Hbは8〜10g/dL程度のことが多い
    • 血小板は1〜3万/μLと著明に低下することが多い(日本人では中央値1万/μL)。出血症状の程度は様々である
    • 腎障害の程度は様々だが血液透析が必要になることは少ない
    • 精神神経障害  軽い頭痛程度から、痙攣・意識障害まで程度は様々で、症状の同様がみられる

【検査所見】

  • Coombs試験は陰性
  • 治療の基本は血液製剤の補充
  • 肝機能および凝固線溶系の異常はあっても軽度

【治療】

  • 血漿交感療法が行われるようになってから死亡率は90%から20%に改善
  • ステロイドも併用されるがエビデンスとなるような研究はない
  • リツキシマブ(抗ヒトCD20モノクローナル抗体)の再発予防効果、およびカプラシズマブ(抗ヒトVWF A1 bivalent nanobody)の急性期血栓症の予防効果が注目されている
参考文献)
  1. 松本雅則「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の病態、診断と治療」日内会誌 109:1355〜1362, 2020
  2. 横山健次「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」 日本医事新報 電子コンテンツ 2017-03-16登録