低K血症

低K血症


 ★ 早急に治療が必要かどうかを判断する。血清K濃度<2.5mEq/Lでは評価より治療を優先、あるいは評価と併行して治療する
◎ 臨床的には「下痢や下剤乱用」、「利尿薬、甘草含有漢方薬、ステロイドなどの薬剤内服」、「アルコール使用障害、アルコール依存症」など原因のことが多く、あればそれらの検討からはじめる

・該当しなければ、TSH、尿中K濃度、尿中Cr濃度、静脈血液ガス(可能なら)を測定する
・TSHの著明な低下があれば甲状腺中毒性周期性四肢麻痺を検討する
・それがなければ以下のアルゴリズムに入る

尿中K/尿中Cr

    13mEq/gCr以上 13mEq/gCr未満
    ・腎性喪失と腎外性喪失を鑑別する
    ・スポット尿での尿中K濃度は不正確なので用いるべきではない

尿中Cl(一日量)

    10mEq/日以上 10mEq/日未満
    ・1日量がわからない場合は嘔吐や下痢がなければ尿中Cl>10mEq/Lを選択

動脈血液ガス

    代謝性アルカローシス 代謝性アシドーシス 正常範囲

血圧

    正常 高血圧

血漿アロドステロン

    高値 低値 正常

血漿レニン活性

    高値 低値

血漿コルチゾール

    正常 低値 高値


診断



    pHが0.1下がると血清K値は0.5(0.2-1.7mEq/l)上がる、とされている

    参考文献)
    1.筒泉貴彦 他編集「総合内科病棟マニュアル」メディカル・サイエンス・インターナショナル 2017
    2. 髙岸勝繁 他「ホスピタリストのための内科診療フローチャート第2版」シーニュ 2019
    3. 猿田享男 監修「1252専門家による私の治療 2021-2022年度版」日本医事新報社 2022.
    4. 筒泉貴彦 他編集「総合内科病棟マニュアル」メディカル・サイエンス・インターナショナル 2017
    5. 武藤重明 他 「カリウム代謝の考え方」日腎会誌 2008;5(0 2):84-90