慢性咳嗽

慢性咳嗽

日本呼吸器学会の「咳嗽に関するガイドライン(第2版)」に準拠

Step 1

    喫煙あり ACE阻害薬の内服 喘鳴あるいは聴診でwheeze聴取
    胸部X線写真で異常陰影 以上がすべて該当しない

方針   

    ・胸部X線で以上があれば胸部CT等で精査して診断を進める。鑑別診断は多岐に渉る
    ・肺癌、縦隔腫瘍、結核、間質性肺炎、うっ血性心不全など

Step 2 喀痰による鑑別

    ・「喀痰あり」とはごく少量の痰ではなく、咳をする度に痰が出る、あるいは痰を咯出するために咳をするという状態 ・いわゆる「湿性咳嗽」に該当する
    喀痰あり 喀痰なし

方針   

Step 3

    ・培養では結核や非結核性抗酸菌症など、細胞診で陽性となれば悪性腫瘍を検索する
    ・細胞分画で好酸球が増えていれば各種のアレルギーの病態、好中球が優位であれば副鼻腔気管支症候群を想定して診断的治療を行う
    ・副鼻腔気管支症候群の治療ではまずEMを用いる。効果が乏しかったり副作用が出現したときには他のマクロライドの使用を検討する ・治療期間は8週間。効果があれば副鼻腔気管支症候群と臨床診断し、改善なければ他の原因を検索する ⇒ Step4

Step 4

咳嗽のタイプ
    乾性 湿性
アトピー素因
    あり なし
    * アトピー素因:以下の所見のひとつ以上があれば「アトピー素因あり」とする

    1)喘息以外のアレルギー疾患の既往あるいは合併  2)末梢血好酸球増加
    3)血清IgE値の上昇  4)特異的IgE陽性 アレルゲン皮内テスト即時型反応陽性
咳嗽以外の症状
    咽喉頭違和感(イガイガ感) 後鼻漏、鼻汁 胸焼け、呑酸 はじめに発熱があった
喘鳴
    あり なし

気管支拡張薬
    有効 無効
抗ヒスタミン剤
    有効 無効
◎ いずれの場合も治療を試みて改善がある場合は臨床診断を確定するが、改善が無い場合は他の原因疾患の検索を続ける
    参考文献) 松瀬厚人 他「咳嗽に関するガイドライン(第2版)」日耳鼻 119 157-162 2016

咳喘息  

アトピー性咳嗽  

喉頭アレルギー  

副鼻腔気管支症候群  

胃食道逆流症  

非定型肺炎と百日咳  

  マイコプラズマ肺炎
  百日咳