腎硬化症

腎硬化症

  • 簡単に言えば「腎臓の細動脈硬化による腎障害」となるが、病態、病理、原因なども確立していないためにかなり曖昧な臨床概念
  • 小細動脈硬化症から二次的に糸球体硬化、尿細管間質の線維化を引き起こすと考えられている
  • 原因として高血圧が最も重要なため”高血圧性腎硬化症”と解釈されてきたが、実際は加齢、糖質脂質代謝異常、喫煙などが複合的に関与する
  • 慢性維持透析導入疾患の第3位で、約14%を占める

【診断】

  • 発見時には既に腎萎縮が生じているのため、腎生検の適応とならず、通常は病理学的診断はできない ・高血圧の罹病期間が長い中高年患者で、他の腎疾患を除外した上で診断される ・特徴的な画像所見や、血液検査所見がないため、診断の客観性は乏しい ・蛋白尿は軽く、血尿の頻度は低い

【治療

参考文献)
  1. 古波蔵健太郎 他「高齢化社会の日本で増え続ける腎硬化症の病態と治療戦略」日内会誌 105:811~817,2016
  2. 白石直樹 他「腎硬化症」日内会誌 102:1180~1189,2013
  3. 猿田享男 監修「1252専門家による私の治療 2021-2022年度版 腎硬化症 古波蔵健太郎」日本医事新報社 2022.