造影剤腎症
  • ヨード造影剤投与後、72 時間以内に血清クレアチニン(SCr)値が前値より0.5mg/dL以上または25%以上増加した場合に診断する
  • CKD(eGFR<60 mL/min/1.73 m2)はCIN発症の危険因子

◎ リスクのある患者(eGFR<60など)に造影剤を投与した場合は、72時間以降に必ず腎機能を再評価する

【造影剤の禁忌】

  • 添付文章上の禁忌は以下のとおり
    1. 一般状態が極度に悪い患者
    2. 気管支喘息の患者
    3. 重篤な心障害のある患者
    4. 重篤な肝障害のある患者
    5. 重篤な腎障害のある患者*
    6. マクログロブリン血症の患者
    7. 多発性骨髄腫の患者
    8. テタニーのある患者
    9. 褐色細胞腫の患者。あるいはその疑いのある患者
  •  「重篤な腎障害」について
    • 「ヨード造影剤使用に関するガイドライン2018」においては、eGFR<60は造影剤腎症発症のリスクファクターとしている
    • しかしながら、通常は60>eGFR≧30の場合は、いくつかの内服薬の一時的休薬以外には特別な予防措置を推奨していない
    • 予防的措置の適応については以下を参照

【予防】

(内服)

  • CIN予防のための薬物療法は推奨されていない
  • 予防的な利尿薬投与はCIN発症リスクを増加させるため推奨されない
  • NSAIDS内服は一時中止にすべき
  • ビグアナイドは可能なら前日から中止し、再開は48時間後以降とする

(輸液)

  • eGFR<30のときに行う(ICUや重症救急患者では<45、CAGでは<60)
    生理食塩水 1mL/kg/hで前後 6~12 時間
    重曹 約150mEq/Lの重曹を3mL/kg/hで造影前1時間、1mL/kg/hで造影後6時間
    約150mEq/Lの重曹の調整) 生理食塩水500ml+メイロン8.4% 6-6.5g

【治療】

  • 利尿薬や輸液のルーチンの使用は推奨されていない
参考文献)
  1. 「ヨード造影剤使用に関するガイドライン2018」
    ` https://cdn.jsn.or.jp/data/guideline-201911.pdf