症候
腹痛
腹痛
【STEP1】緊急性の高い病態(surgical abdomen)を除外
- ・まず、即時に適切な評価と治療をはじめるべき病態を除外する
・バイタルとBSチェックを行い、当てはまるものをチェック
判定

・突発する広範囲の激痛
・腹膜刺激症状を伴う
・腹膜あるいは腸間膜に刺激が加わらないように、極力身動きしないようにしている
・呼吸もゆっくりと行っていることが多い
・突発する広範囲の激痛
・腹膜刺激症状や圧痛などの身体所見に乏しい
・高齢や心房細動がリスク因子
【STEP2】年齢・性別に伴う疾患リスク
判定
★ STEP1で示した検査に加えて妊娠可能な女性では妊娠反応も行う(問診を信用しない)
・妊娠可能な女性では必ず鑑別にいれる
・嘔吐、下痢などの消化器症状に乏しい
・エコーで腹腔内に大量出血を認める
卵巣出血
・多くの場合は性交渉が物理的刺激となって突発発症
・下腹部の持続痛を呈する
・腹膜刺激症状を認める
子宮留膿症
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・婦人科入院患者の0.01-0.5%に認められる比較的稀な疾患
・婦人科外来では、60歳以上の13.6%、80歳代で19.1%、90歳代で33.3%と加齢に伴って増加する
・穿孔すると腹膜炎を起こす
・死亡率は11.4-15%
・上に示す疾患が除外されたらSTEP3へ
【STEP 3】臓器/部位別鑑別診断
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参考文献)
1.德田安春「ジェネラリスト診療が上手になる本」カイ書林
2.中西重清 德田安春 「プライマリケア外来診断目利き術」南山堂 2020
3.James Christensen M.D.「腹部診察のベッドサイドロジック」メディカル・サイエンス・インターナショナル 1993 4. 水本一生 他「骨盤腔内膿瘍を呈した子宮留膿症の1例」日外科系連会誌 43(5):971–975,2018