高LDH血症

    ・LDHはあらゆる組織の細胞に広く分布し、とくに心・肝・骨格筋・腎・癌組織に多い
    ・嫌気的解糖系の最終段階に働く酵素である
    ・腫瘍細胞は嫌気的解糖系をよりよく利用する傾向がある
    ・LDH増加はいずれかの臓器の細胞障害を示す

    【鑑別診断】

      ・まず、血算、血液像、CK、ASL、ALTをチェックし、必要に応じて網状赤血球、間接ビリルビン、ハプトグロビンなどを追加する

      ・急性の経過で発熱、2系統以上の血球減少、DIC、肝機能障害などのうち複数の所見を認めたときには血球貪食症候群も想定する
    血球貪食症候群

    ・以上に該当しなければ腎梗塞、間質性肺炎、ニューモシスチス肺炎、甲状腺機能低下症、LDH結合性免疫グロブリン、筋ジストロフィー、再生不良性貧血などを検討
    ・LDH結合性免疫グロブリンが存在するとLDHアイソザイムでアノマリーパターンを認める
    ・甲状腺機能低下症でもCK、LDHともに1000IU/L以上に増加する例もある

    悪性リンパ腫
    自己免疫性溶血性貧血
      参考文献)
      1. 村瀨樹太郎 他「乳酸脱水素酵素(LDH)の著明な上昇と乳酸アシドーシスを生じ、頻呼吸をきたした前立腺癌末期の1例」Palliat Care Res 2015; 10(3): 539–42
      2. 河合忠 「異常値の出るメカニズム(第8版)」医学書院 2024
      3. 森田幸裕 他「農民検診でCPK、LDHの異常高値を指摘された無症候性原発性甲状腺機能低下症の一例」厚生連医誌 第6巻 1号 58〜60 1990