疾患
リンパ浮腫
リンパ浮腫
基本的には緩徐に発症するびまん性のむくみで、疼痛、色調変化、潰瘍および静脈うっ滞は原則的にない。下肢、足部、踵部または上肢、手背の腫脹が一般的である。癌の術後に発症するものが最も多い。
診断)
・典型的には左右差のある、色調変化のない、無痛性の腫脹。しかし、リンパ浮腫の3分の1は両側性である。
Stemmer sign: 足背第2〜3趾間の皮膚をつまみあげることができない所見。リンパ浮腫により徐々に皮膚が硬化するためにおこる。感度は92%、特異度は57%程度とされており、陽性尤度比は2.14、陰性尤度比は0.14程度となる(*1)。
・非圧痕性浮腫となるのは慢性期であり、急性に出現する場合は圧痕性浮腫を呈する。
・骨盤内手術や放射線治療から10年以上たって発症することもまれではない。
・悪性腫瘍の再発が疑われる場合は、腫瘍の種類に応じて、腫瘍マーカー、PETなどで精査を行う。
・リンパ浮腫診断のgold standardはリンパ管造影しかない。
皮下脂肪内に貯留したリンパ液が黒く描出される。進行すると脂肪が線維化して白く映り、皮膚と脂肪の境界も不明瞭になる。
