肝・胆・膵 (2)
肝機能障害
まずは以下の評価を行う

【Step1】肝障害の背景要因の確認

  • 高血糖または糖尿病
  • 脂質異常症(特に高中性脂肪血症)
  • 睡眠時無呼吸症候群がある
  • 肥満がある
  • 高血圧がある
  • アルコール多飲歴がある
  • ALPまたはγ-GTP単独上昇
  • 甲状腺機能異常がある
  • 肝炎ウイルス陽性
  • 肝障害出現時に処方変更あり
  • るい痩例で経管または中心静脈栄養を開始
  • 腹部超音波検査で中等度〜高度の脂肪肝
  • フェリチン高値

ウイルス性肝炎

MAFLD(脂肪性肝疾患)

甲状腺機能異常に伴う肝障害

アルコール性肝障害

薬剤性肝障害

Refeeding症候群

ヘモクロマトーシス

【Step2】胆汁うっ滞を伴う病態の鑑別

    抗ミトコンドリア抗体または抗ミトコンドリア抗体M2のいずれかが陽性かを確認

    あり なし

胆汁うっ滞を伴う病態

原発性胆汁性胆管炎

原発性硬化性胆管炎

上記に該当しない場合は Step3 へ

【Step3】稀な疾患の鑑別

抗核抗体、IgG、血清セルロプラスミンを測定する

抗核抗体陽性 IgG基準値上限以上 血清セルロプラスミン20mg/dL以下

自己免疫性肝炎

ウイルソン病

必要に応じて以下も参照

黄疸

    参考文献:
    1. 中西重清・德田安春『プライマリケア外来診断目利き術』南山堂, 2020
    2. 德田安春『病歴と身体所見の診断学』医学書院, 2017
    3. 日本超音波医学会 用語・診断基準委員会「脂肪肝の超音波診断基準」, 2021