症候
赤血球増多症(多血症)
【定義】

【鑑別診断】

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・ヘモグロビン値の男性≧18.5g/dL 女性≧16.5g/dLは真性赤血球増多症診断の必要条件であるが、臨床では必ずしもこの数値で完全に鑑別できるわけではない
・真性赤血球増多症との鑑別のためには、ほかの血球系統の増加の有無、エリスロポエチンやフェリチンの値などを確認し、疑問が残れば専門医に相談すべき
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ストレス多血症)
・中年男性に好発
・神経質、赤ら顔、小太り、喫煙者が多いなどの臨床的特徴
・症状は頭痛、顔のほてり、頭重感、易疲労感など
・白血球、血小板は正常。エリスロポエチンはほとんどが正常範囲
・治療は通常不要。喫煙していれば禁煙
・生活習慣病があれば治療する
真性赤血球増加症
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二次性赤血球増加症)
・原疾患によりエリスロポエチン産生が増加するため赤血球が増加する病態
エリスロポエチン産生増加の原因
① 低酸素血症 慢性肺疾患、高知滞在、肺胞低換気(SAS含む)、先天性心疾患
② エリスロポエチン産生異常 エリスロポエチン産生腫瘍、腎疾患など
・治療は原疾患の治療
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参考文献)
1. 小松則夫「真性赤血球増加症」日内会誌 96:1382~1389,2007
2. 猿田享男 監修「1252専門家による私の治療 2021-2022年度版:真性赤血球増加症 桐戸敬太」日本医事新報社 2022.
3. 髙岸勝繁 他「ホスピタリストのための内科診療フローチャート第2版」シーニュ 2019
4. 下田和哉「多血症の診断と治療」日内会誌95:2060~2066,2006
5. 志関雅幸 他「赤血球増加症」日内会誌 96:1357~1362,2007