パニック障害

【診断】

広場恐怖の基準(DSM-Ⅳ)

  1. パニック発作またはパニック様症状が予期しないで、または状況に誘発されて起きたときに、逃げることが困難であるかもしれない(または恥ずかしくなってしまうかもしれない)場所、または助けが得られない場所にいることについての不安
    広場恐怖が生じやすい典型的な状況には
    • 家の外に1人でいること
    • 混雑の中にいることまたは列に並んでいること
    • 橋の上にいること
    • バス、電車、または自動車で移動していること
    などがある
    注:一つまたは二、三の状況だけを回避している場合には特定の恐怖症の診断を、または社会的状況だけを回避している場合には社会恐怖を考えること
  2. その状況が回避されている(例:旅行が制限されている)か、またはそうしなくても、パニック発作またはパニック様症状が起こることを非常に強い苦痛または不安を伴い耐え忍んでいるか、または同伴者を伴う必要がある
  3. その不安または恐怖症性の回避は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない。例えば、社会恐怖(例:恥ずかしさに対する恐怖のために社会的状況のみを避ける)、特定の恐怖症(例:エレベーターのような単一の状況だけを避ける)、強迫性障害(例:汚染に対する強迫観念のある人が、ごみを避ける)、外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激を避ける)、または分離不安障害(例:家を離れることまたは家族から離れることを避ける)など
参考文献)
  1. 久保木富房「パニック障害 やさしい不安対策」vol,51No .8.20111 心身医
  2. 森皆ねじ子「精神疾患に出会ったとき考えていることをまとめてみた」照林社 2020
  3. 井出広幸・内藤宏監訳「ACP内科医のためのこころの診かた」丸善株式会社 2009