- 担癌患者に合併する神経障害のうち、免疫学的機序により生じると考えられる多様な症候群
- 悪性腫瘍患者全体の0.01〜1%程度に生じる比較的稀な病態 ・約80%の例で神経症状の発症と抗体の検出が、腫瘍発見に数カ月から数年先行する
疾患
傍腫瘍神経症候群
【症状】
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一般に、神経症状は亜急性に進行し、高度の身体機能障害を生じる傾向がある
【診断】
◎ PNSに併存する腫瘍は、成人では肺小細胞癌(small cell lung cancer:SCLC)、小児では神経芽細胞腫(neuroblastoma:NB)が最多。他の臓器の未分化腺癌の報告もある
- 神経症候がPNSに特異的なわけでもなく、PNSで抗体が検出できるのは50%以下であり確定診断は困難
- 原疾患の治療による症状の改善は、腫瘍随伴症候群の診断を強く指示する所見である
- 参考文献)
- 田中惠子「傍腫瘍性神経症候群と抗神経抗体」臨床神経学 50巻6号(2010:6)371-378 2017
- 村田洋三「Paraneoplastic syndromeについて」皮膚 40巻 第2号 1998年4月 174-180