指標計算機
腎機能の推定式について
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(CCrの計算式)
① Cockcroft-Gault式
CCr = ((140 - 年齢) × 体重(kg)) ÷ (72 × 血清Cr)(女性の場合 ×0.85)
・欧米で構築された式であり欧米人にはよい相関を示すが、日本人高齢者では解離が大きくなることが知られており、次の安田の式などが考案されている ・肥満者では腎機能を過大評価するため理想体重を用いる
② 安田の式(血清Cr ≦ 1.4mg.dL の高齢者が対象)
CCr = ((定数 - 年齢) × 体重(kg)) ÷ (72 × 血清Cr)(定数:男性の場合は176 女性の場合は158 ) ・血清Cr1.4mg/dL以下の高齢者を対象にして式を構築したもの。この条件で用いれば、日本人ではCockcroftとGaultの式より実測値に近いと報告されている(*1)
・長期臥床、経口摂取不良、感染症極期、脳血管障害などの病態があると実測値が大きく下回ることがある
・これらの推定法のgold standardはイヌリンクリアランス
(eGFR)
・標準化eGFRは性別・年齢・血清Cr値から算出され、体格は考慮されない(薬剤投与量計算には不適)
・個別eGFRは体表面積(身長・体重)を考慮して、薬剤投与量評価に適している
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参考文献)
1. 加藤明彦 他「老年者におけるクレアチニンクリアランス推定式の検討」日本老年医学会雑誌 25巻5号 (1988:9)
2. 平田純生 他「患者腎機能の正確な評価の理論と実践」日本腎臓病薬物療法学会誌 第5巻 第1号 2015
3. 平山俊一「超高齢者におけるクレアチニンクリアランス推定式の比較検討」 日本老年医学会雑誌 44巻1号 90-94 2007
4. 安田兵衛「腎機能の年齢的変化に関する研究-糸球体濾過値を求める式およびノモグラムの人種差」医学と生物学 101 83-86 1980